ビッグ・アイズ
いつものように映画チャンネルの番組表を見ていたら、
目に飛び込んできたのがティム・バートンの文字。
似たタイトル、また同監督の「ビッグ・フィッシュ」をちらりと脳裏に浮かんだがそのまま予約を実行し録画を見たのは一週間も後だった。
大きな瞳を特徴的に描く、美しい中年女性マーガレットを主人公に事実を基にした映画であった。-2014年度 アメリカ作
男性優位の時代に、女性絵画家として
冒頭のシーンではオズの魔法使いの様なイメージを膨らませられた。
金髪の巻き毛、筆を持つ指がなんとも美しい。
マーガットは夫と別れ、一人娘を連れ出していくシーンが冒頭にもあるが
このシーンは最後の方にも同じくして車を走らせる。
この映画を楽しむところはたくさんあるなぁと思った。
例えば私は20代女性で活動趣味はオタクそのものであり、
- パステルカラーの風景をテレビやスクリーンの横型で目いっぱい魅せる
- 配色・小物の位置・光源の置き方
- 服装
- 新婚旅行の写真
などなど......。
好きなセリフ
「目は心の窓なの」
「断る理由を考えないで。結婚する理由は100万ある」
「君はお姫様だから楽園の挙式がふさわしい」
などなど......。
くすぐられるものが数えられないほどある。
大々的なストーリーではないが、何度も見たくなるような、確認したくなるような映画だった。巧みに言葉を紡ぎながら妻を、他人を自分の思い通りに描いていく夫は所謂「サイコパス」の様なものだろうか?金に執着し、豪邸を建て、偽りの栄誉を欲する人間の汚さをナチュラルに演じているクリストフ・ヴァルツ。
マーガットが描いた絵に名前でなく前夫の苗字であるのを目敏く見つけて計画を企てていたのだしたらかなり頭がキレる、実際ひた隠しにしながら、甘い蜜を啜り生きていけると思っていたのだから。
しかしながらマーガレットに落ち度がないとも言えないが…。
シンデレラストーリー、運命の出会いとこれからの幸福をトントン拍子で約束させられていた夢見る可愛いマーガレット。豪邸の締め切った一室で描き続ける場面を見たときは病に倒れるのではないかと肝を冷やしたこともあったが、やはり、強い。
決断をすること、公に出る勇気。愛する者のために挫けなかったマーガレットに敬意を。